待望のDENON DL-103R を購入したので、オーバーハング、針圧、トラッキングエラー、アジマス、アンチスケーティングの調整をしてみました。これらを正確に調節しないとどんなに高額のカートリッジやターンテーブルでもアバウトな音しか出てこないので注意する必要があります。
それぞれの調整をどうすればいいのか、用語や意味は解説してあるところは多いですが、具体的な流れで書いてあるところがなかなか無いので、順を追って設定して行きます。
準備
まず最初にターンテーブルの上に水準器を置いて、全体が水平になるように足の高さを調整します。
ターンテーブルが水平になったら、アームのQダンピング、アンチスケーティング、アームのダイヤルをそれぞれ0(ゼロ)にしておきます。
アームをフリーにして後ろにある重りのダイヤルを0(ゼロ)にしたまま重りを動かしゲージを見ながらアームが水平になるよう調節します。
これでオーバーハング、針圧、トラッキングエラー、アジマス、アンチスケーティングを調整する準備が整いました。
オーバーハングの調整
DENON DP-57L のオーバーハングは14mmとマニュアルに書いてあるので、14mmに調節します。
方法は、ターンテーブルの回転軸(スピンドル)の上にカートリッジをアームにつけた状態で乗せて、針先が回転軸(スピンドル)の中心から14mm出たところにくるようゲージで確認しながら固定します。
ゲージもスタビライザータイプのものや定規タイプのもの、円盤型のものなどがあるのでそれぞれセッティングする時の写真を乗せておきますね~
スタビライザータイプのものの場合
定規タイプのものの場合
円盤型のものの場合
針圧の調整
針圧は、ターンテーブルのゴムシートをはがして針圧計で測定しながらアームの後ろにある重りのダイヤルを回して設定します。
わざわざ針圧系を使用する目的は、0.1g(グラム)でもずれると音質が変わったりするのでアバウトなダイヤルだけを頼りに調節するよりも正確に測定して調整することが可能になるためです。
今回は、DL-103Rの適正針圧の中心値(標準値)としてマニュアルに書いてある2.5gに調整しました。
トラッキングエラーの調整
トラッキングエラーの調整もゲージを使用します。
トラッキングエラー調整の理想は、レコードの音溝に対してカンチレバーが常に接線の位置でレコードをトレースすることですが、リニアトラッキング以外は原理的に無理なので、限りなく近いところで音溝をトレースするように調整する方法です。
定規タイプのゲージと円盤型のゲージがありますが、ターンテーブルの外周より内周を基準に設定したほうがビビリ音が少なくなります。
調整はゲージのマス目に沿って、カートリッジの横方向と縦方向が平行になるように調整します。
定規タイプのものの場合
円盤型のものの場合
アジマス調整
アジマス調整はカートリッジの正面から見て、針が垂直に降りているかどうかを調節します。
カートリッジを固定している左右のねじのバランスで針がかたよってしまうことがあるので、ゲージで確認しながら針が垂直に降りるように調節します。
針が上がっているとき
針が降りているとき
アンチスケーティング調整
レコードは回転したときに針を内側へ引っ張る力(インサイドフォース)が働きます。
この力が働いた状態でレコードをかけると、溝の中心よりも内側に針がずれた状態で音が再生されてバランスが悪くなるので、針を内側へ引っ張る力(インサイドフォース)を打ち消す力をかけるのがアンチスケーティングの役割です。
調整は、アクリルの円盤型のゲージを使用する場合と溝の掘っていないツルツルのレコードを使用する場合があります。
どちらも盤が回転している状態で針を降ろし、外周から内週の間でどこに降ろしても針が内側や外側にずれ動かないように調節します。
アクリルの円盤型のゲージの場合
溝の掘っていないツルツルのレコードの場合
今回使用したゲージたち
今回使用したゲージたちです。
大変参考になる記事をありがとうございます。
記事中の円盤型ゲージに関心があるのですが、商品名や購入方法をご教示いただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
トモリンさん
昔は日本でもテクニクスあたりが輸入販売していたようですが、今では輸入販売をしていないようなので、Aliexpressより購入しました。
https://www.aliexpress.com/item/4000287871179.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.598a4c4dmrkPhL