加水分解でボロボロになったウレタンの交換修理(電池蓋のスポンジとaudio technica AT 825)
新しかった家電製品もだんだん古くなるに従って、電池ボックスの蓋の裏側についているスポンジやスピーカーのエッジが抜け落ちて、高級だったセットも見る影もなくなったり、溶けてベタベタにくっついてしまって困ったことはありませんか?
これはポリウレタンという材質が、空気中の水分と化学反応を起こして弾力を失い、劣化してしまった結果起きます。ポリウレタンは合成されるとすぐに劣化が始まり、特に日本のように高温多湿の環境では劣化するスピードが速くなります。
今日は、電池ボックスの蓋(電池蓋)の裏側についているスポンジの交換と高額だったaudio technica (オーディオテクニカ)製のAT-825という業務用のマイクのウレタンをスポンジで代用しました。
電池蓋裏側のスポンジの交換
現状
古いラジカセの電池蓋裏側についているスポンジが溶けてベタベタになり、やがて加水分解が終わると触っただけでベタベタの粒が落ちてくるようになります。
採寸
新しいスポンジを切るため、採寸しておきます。
クリーニング
砂粒のようなベタベタした粉が出るので、刷毛を使って出来る限りゴミ箱へ落としてしまいます。
次に無水エタノールか純度100%に近いイソプロピルアルコールを垂らして乾燥させないように気をつけながら5分ぐらい待って、プラスチックのへらでこそぎ落とします。
ここでプラスチックのへらを使う理由は、金属のへらと比べて裏蓋に傷がつきにくいためです。
サッシヘラと呼ばれるものが頑丈で使いやすいです。
綺麗になりました。
スポンジの切り出しと貼り付け
新しいスポンジはエプトシーラー(隙間風テープ)と同じくらいの柔らかさで高さが5mmの低反発ウレタンで粘着シートがついたものを使用します。
採寸で4cm X 1cm だったので、切り出します。
そのまま元の位置へ貼り付けて完了です。
綺麗になりました。
マイクのスポンジ交換
マイクのスポンジが劣化すると・・・
中のマイクユニットがぼろぼろになったウレタンスポンジを突き破り、動かすたびに中から金網に当たってすさまじい音量のノイズが発生するようになってしまいました。こうなってしまっては高級機のaudio technica AT825もかたなしです。
材質と入れ替えの方法は?
もともとの材質は硬めのスポンジでしたが、硬めのもので作ると高音が吸収されてしまうようで、違うものを探してみました。
何種類か試してみたところ、やわらかめのスポンジがしっくり来ましたので、切り抜いたスポンジにマイクユニットを乗せて位置を決め、周りのスポンジをくるんで縁を切り抜くとこの形になりました。
電池ルームに入り込んだベタベタの劣化したポリウレタンを取り除いて完了です。
野鳥の声を録音してみましたが、上々でした!
これで安心して使用できるようになりました。