アナログレコードを再生したとき、ピアノの強い音(フォルテッシモ)の時に
ビリビリと薄い紙をスピーカーに直接くっつけたようなビリつき音や
音割れ、ボーカルのサ行のときにかすれたような破裂音がするのって不快ですよね・・。
それが、いろいろ調べて1つ1つ基本を見直して、1から設定をしなおしたらピッタリ止まりました。
今はあの耳障りなノイズから開放されて、すごく気持ちが良い音を奏でてくれています。
- 設定内容
- アナログレコードの音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音
- 音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音の対策と調整
- ハネナイトの防振パッドを置きました
- レコードプレイヤーのターンテーブルを水準器を使って水平に設定しました
- アーム後ろのダイヤルと、針圧のダイヤル、アンチスケーティングのダイヤルを0にして、重りだけでアームの垂直をとりました。
- カートリッジとヘッドシェルの間、カートリッジを止めているボルトのナットとヘッドシェルの間にそれぞれハネナイトのゴムワッシャーをはさめました
- オーバーハングをゲージを使って設定しました
- 針が下りた状態のアームが水平になるようゲージを見ながらアームの高さを調整し直しました
- カートリッジの垂直トラッキングと平行トラッキングをゲージを使って設定し直しました
- レコードに針が載っている高さで針圧計を使って針圧を設定し直しました
- アンチスケーティングをゲージを使って設定し直しました
- レコードプレーヤーとカートリッジのセッティングはどんな人におすすめ?
- 今回使用したもの
設定内容
何をやったかというと、
- レコードプレーヤーのインシュレーターの下にハネナイトの防振パッドを置きました
- レコードプレイヤーのターンテーブルを水準器を使って水平に設定しました
- アーム後ろのダイヤルと、針圧のダイヤル、アンチスケーティングのダイヤルをそれぞれ0にして、重りだけでアームの垂直をとりました(全設定のリセット)
- カートリッジとヘッドシェルの間、カートリッジを止めているボルトのナットとヘッドシェルの間にそれぞれハネナイトのゴムワッシャーをはさめました
- オーバーハングをゲージを使って設定しました
- 針が下りた状態のアームが水平になるようゲージを見ながらアームの高さを調整し直しました。
- カートリッジの垂直トラッキングと平行トラッキングをゲージを使って設定し直しました。
- レコードに針が載っている高さで針圧計を使って針圧を設定し直しました。
- アンチスケーティングをゲージを使って設定し直しました。
を9つの設定をやり直しました。
なぜ9つの設定が必要だったのか、順を追って説明しますね。
アナログレコードの音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音
アナログレコードの音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音をよーく分析的に聞くと、
一度鳴った音がごくわずかな間を遅れて鳴って干渉している場合と、
右と左が微妙に音がずれて鳴って干渉している場合があることに気が付きました。
どちらも干渉波がうるさく、高音の音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音につながります。
音割れ・ビビリ音・サ行の破裂音の対策と調整
ハネナイトの防振パッドを置きました
環境音がレコードプレーヤーの足(インシュレーター)から伝わって、アームに伝わり、カートリッジへ伝わると音が濁ります。
環境音の影響は通常レコードを聴いていても気が付きませんが、ハネナイトの防振パッドをレコードプレーヤーの足の下に敷くと、解像度と透明感が上がって驚きました。
なぜハネナイトかというと、これを見てください!
そのほか、ハネナイトはオーディオテクニカから出ているMCカートリッジのAT33EVやAT33MONOのダンパーにも使われているスグレモノの新素材です。
私の家は4車線の国道沿いにあるので、ハネナイトの防振パッドがないと車が通っただけでブーンという音をカートリッジが拾います。トラックなんて通ったら下から突き上げる振動もカートリッジが拾ってしまって聞けたものではありません(泣)
レコードプレイヤーのターンテーブルを水準器を使って水平に設定しました
ターンテーブルが水平でない場合、低くなっている方向の針先に負担がかかり、音溝が片減りしたり音が歪んでしまいます。
ターンテーブルの4方向と針が通るところへ合計5個の水準器を置いて、足の高さを調節して水平を設定します。
アーム後ろのダイヤルと、針圧のダイヤル、アンチスケーティングのダイヤルを0にして、重りだけでアームの垂直をとりました。
全設定をリセットした状態です。ここから1つずつ設定していきます。
カートリッジとヘッドシェルの間、カートリッジを止めているボルトのナットとヘッドシェルの間にそれぞれハネナイトのゴムワッシャーをはさめました
針先で読み取った振動は感知レバーを通してコイルで電気化されるわけですが、ダンパーのゴムから本体を通してヘッドシェルとの接合部分で音の成分(音波)が反射して感知レバーに戻ってきて位相のずれを引き起こし干渉波を発生します。
その結果、音割れやビビリ音になって聞こえます。
ハネナイトで作られたワッシャーで振動成分を吸収させて反射を防ぐというわけです。
オーバーハングをゲージを使って設定しました
オーバーハングは、カートリッジをスピンドル軸(真ん中の棒)に乗せたとき、中央から針先までの距離を表します。
プレーヤーごとに一番よく音溝の音を読み取れる設計上の距離で、調整が必要なプレイヤーであればマニュアルに書いてあります。
DENON DP-57Lは14mmなので、ゲージを使用して調整します。
針が下りた状態のアームが水平になるようゲージを見ながらアームの高さを調整し直しました
針が下りた状態のアームが水平になっていないと音がゆがんだり、感知レバーが曲がったりしてカートリッジの寿命が短くなります。
カートリッジの垂直トラッキングと平行トラッキングをゲージを使って設定し直しました
カートリッジの垂直トラッキングは、ゲージをカートリッジの正面に置いて、針が上がった状態と降りた状態で正面から見て左右のどちらにも傾かないよう、固定ねじの締め付け具合で調整します。
カートリッジの平行トラッキングは、ゲージのマス目に沿ってカートリッジの縦横がそろうように、調整します。
これによって感知レバーが針先を接点とする接線と平行に近くなります。
ゲージには外側と内側に合わせる場所がありますが、内側のほうがトラッキングが悪化しやすいので、内側のゲージで調整します。
レコードに針が載っている高さで針圧計を使って針圧を設定し直しました
針圧はターンテーブルのゴムシートを外して、レコード盤面に針が載ったときの高さに合わせて針圧を調整します。
アームの後ろにあるおもりを、メーカー指定の重さを中心に0.1gずつ動かして行って、解像度と透明度が上がったところで調整完了です。
あまり軽すぎると針飛びを起こしますし、重すぎるとレコードとの摩擦ノイズ(摺動ノイズ)が大きくなったり溝音を傷つけてしまうのでほどほどにしておきます。
アンチスケーティングをゲージを使って設定し直しました
アンチスケーティングの調整はマニュアルには針圧と同じにすると書いてありますが、実は誤差が多くてマニュアル通りでは調整されていないことが多いです。
レコードは回っていると針を内側に引っ張ろうとする力が働きます。それを平均化するために外側に働く力(アンチスケーティング)をかけるわけです。
アンチスケーティングがうまく調整されていないと、音飛び、カンチレバーの曲がり、音溝の片減りが起きてしまいます。
調整方法は、表面がつるつるしたアクリル製のLPレコードタイプのゲージか、溝が彫っていない表面がつるつるしたレコードに針を置いて、どこにおいても外側にも内側にも動かないよう、つまみを調整します。
LPレコードタイプのアクリルのLP盤は片面がゲージになっていて、もう片面がつるつるした面になっています。
昔は日本でも輸入販売されていましたが、輸入販売をしている会社が見つからなくてAliexpress で購入しましたが、ときどきamazonでも売っているときがあります。
レコードプレーヤーとカートリッジのセッティングはどんな人におすすめ?
- ピアノの強い音(フォルテッシモ)のときにビリビリと音がビリ付いて割れる
- ボーカルのサ行のときにかすれたような爆発音がする
- バイオリンなど弦楽器の繊細な音が割れる
という方におすすめです。
※レコードもきれいに洗浄しないとノイズの原因になるので詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
音溝が磨り減ってダメージがある場合や、盤面に傷がある場合はどうしても音が割れたり針飛びしてしまいます。
今回使用したもの
水準器
ターンテーブル全体が水平かどうかとカートリッジの通り道を分散して置いて同時に見るため、5個必要になります。
オーバーハングゲージ
定規型、EPアダプター型、スタビライザー型、LPサイズの円盤型とあります。
水平垂直ゲージ(分度器)
水準器が付いているものや、線が緑色のものなどもありますが用途は同じです。
アンチスケーティングゲージ
LPサイズの円盤型のオーバーハングゲージは裏面がアンチスケーティングゲージになっていることがあります。
針圧計
最小測定単位が0.001gのものが調整しやすいです。