状態確認
SONY(ソニー) CDP-950 はバブル期の1987年に発売されたフルサイズのCDプレーヤーです。
近所のハードオフでCDを読み取らないジャンク品として売ってたので購入して来ました。
約35年経っているので、ピックアップユニットとゴムベルトが経年劣化していることが予想されます。
症状を確認しようと電源を投入すると、ディスクは回っていますが読み取れなくて止まってしまいます。
CDの初期動作
CDはディスクが挿入されると、
- カメラで言うピント合わせにあたる、フォーカスを取ります。
この時点でフォーカスが取れないとディスクは回りません。 - フォーカスが取れると、モーターがディスクを回し始め、回転をコントロールするサーボがきき始めます。
- サーボがきき始めると、ピックアップレンズを移動させてディスクの内容が書かれた目次情報に当たるTOC情報を読み始めます。
TOC の情報を何回か読もうとしますがもしもTOCの情報が読めないと、この時点でディスクの回転が止まります。 - 無事にTOCが読めると、プレーヤーがスタンバイ状態に入ります。
今回の症状は3番目のところでディスクが止まってしまうので、ピックアップユニットかサーボ回路のコンデンサあたりが怪しいですね。
修理開始
4隅のねじをはずして、配線のコネクターを抜くとドライブユニットが取り出せます。
ここで搭載されているピックアップユニットを見てみると、レンズの位置が下がっているように見えます。
横からピックアップユニットを確認すると、KSS-150A と書いてあります。
ピックアップユニットが載っている部品ごと外してからピックアップユニットを交換します。
ピックアップユニットのレールになっている金属棒を抜いて交換します。
今回は、KSS-150Aと互換のあるKSS-210Aと交換します。
KSS-150Aを新品と比較するとやはりレンズの位置が下がっているようです。ここは、フォーカスをあわせるために頻繁に上下するので、ダンパーが傷んで経年劣化で位置が下がってしまいます。
あと、ピックアップは静電気に極端に弱いので、あらかじめ半田で回路のアースにつながっています。
半田が付いているのはショートランドという場所なので、取り付ける直前に半田吸い取り線で吸い取っておきます。
おまけ
古いピックアップのKSS-150Aのカバーを外すと、下にもレンズがあります。
新型はこのレンズがなくても焦点が合うように作られています。
無事に動作確認が出来ました。
今回使用したもの
ドライバー
アネックスの小型ドライバーで、ドライバーの後ろの部分がフリーになっているので便利でした。
半田ごて
今回は、半田をすばやく吸い取るために、比較的熱量の高い600Wの半田ごてで、先が平らになっている小手先と交換して使用しました。
半田吸い取り線
半田吸い取り線もいろいろな種類が出ていますが、今回使用したのはフラックス入りで幅3mmのものを使用しました。
3mmの半田吸い取り線は比較的多く盛ってある半田を吸い取るのに適しています。
以上、SONY CDP-950 のピックアップ交換とゴムベルト交換でした。