音楽を保存するにもいろいろなファイル形式があってわかりづらいですよね!
そこで、MP3やFlacなどを一度整理して、それぞれのメリット・メリットから何がベストなのかを考えてみました。
使い方による選択肢
・USBメモリ、SDカード、携帯に保存して聴くのなら、MP3よりFlac形式のファイルが理想的です。
・音質にこだわらなければ数千円で買えるアダプターでダイレクトにMP3へ変換できますが、音質にこだわるのならハイレゾでwavファイルに保存してからハイレゾのままFlacに変換したほうが解像度も高いままのファイルができます。
なぜそうなるのか、サンプリング周波数・ビット深度・ビットレートのナゾを解き明かしてファイル形式別にメリット・デメリットを見ていきます。
まずはサンプリング周波数・ビット深度・ビットレートのナゾ
サンプリング周波数とは、入力したアナログ信号を1秒間に何回サンプル(標本化)したかの繰り返し回数を表します。
ビット深度とは、サンプル(標本化)1回あたりのデータ容量を現します。
Y軸にビット深度、X軸に時間軸を取ると、ビット深度が深ければ深いほど、また、単位時間当たりのサンプル(標本化)回数~サンプリング周波数が高いほど、再現される波形は元のアナログの波形に近づいていきます。
このことから、アナログ信号はサンプリング周波数とビット深度ともに無限大ともいえるわけです。
サンプリング周波数(KHz)、ビット深度(bit)とビットレート(bps)の関係は、ステレオ再生の場合、LRの2CHあるので、
サンプリング周波数(KHz) × ビット深度(bit) × 2(CH) = ビットレート(bps) になります。
例えば、CDは44.1KHz 16bitだとビットレート換算では、
44100(Hz) × 16(bit) × 2(CH) = 1411.2Kbps
という計算が成り立ちます。
次はファイル形式別のメリットとデメリットです。
【非可逆形式】MP3ファイルのメリット・デメリット
MP3は一番有名な圧縮形式ですが、不可逆圧縮で圧縮前よりデータを間引く分、音質が劣化するけれどもファイルサイズはWaveファイルより小さくコンパクトになります。
デメリットはハイレゾの解像度のままでは圧縮できません。後にもう少し音質改善がされた非可逆形式にはAAC, WMA, Vorbis などがありますがやはり音質劣化は避けられません。
【可逆圧縮形式】Flacファイルのメリット・デメリット
MP3に代わる可逆圧縮形式で、可逆圧縮形式なので音質劣化がありません。ファイルサイズもMP3のようにWaveファイルより小さくコンパクトなのに96KHz24bitなどのハイレゾでの圧縮も可能です。
限りある容量にハイレゾでのファイルを数多く保存するにはもってこいの形式なわけです。
いつでもWaveファイルに戻せるため、再編集時の音質劣化を気にせず操作できてとても便利で、最近は有料の配信サービスでも採用されているファイル形式ですが、まだまだ対応していないソフトもあります。
【非圧縮形式】Wavファイルのメリット・デメリット
⊿∑形式のPCM録音形式で出来るファイルで、レコーディングスタジオなどでは業務用のDSD規格であるDSDIFF形式に移行するところが出始めているとはいえ、編集を前提とした録音でよく使用されるファイル形式です。
ファイルサイズはサンプリング周波数の大きさやビット深度の大きさによって変化しますが、圧縮しないのでMP3やFlacよりはるかに大きくなります。
レコードやカセットテープなどアナログ音源も解像度の高いハイレゾで録音して、ノイズなどを除去したり1曲づつ切り出したりした後にFlacなどへ圧縮するには最高音質で編集しやすい形式になります。
一度録音したら、再編集時のためのマスターとして保存しておくと、後々必要になったときに便利なので、容量の大きなディスクやHDDに保存しておくと良いでしょう。
【非圧縮形式】DSDファイルのメリット・デメリット
DSDは1bitでありながら、⊿∑形式のPCM録音のサンプリング周波数を上げてwavファイルより自然な波形を再生できるのがメリットになります。
デメリットはサンプリング周波数を上げた分だけ高周波ノイズが増えて、初期のDSD再生ではスーパーツィーターの破損が相次いだため、現在ではローパスフィルターを通して再生され、10KHz以上は再生されないようになっています。
まとめ
・サンプリング周波数(KHz)、ビット深度(bit)、ビットレート(bps)の関係は
サンプリング周波数(KHz) × ビット深度(bit) × 2(CH) = ビットレート(bps)
で表せる
・MP3はハイレゾには未対応で非可逆圧縮のため音質劣化は避けられないがファイルサイズはコンパクト
・Flacはハイレゾ対応で可逆圧縮のため音質劣化がなくファイルサイズもコンパクトで便利
・wavファイルはハイレゾ対応で非圧縮なのでファイルサイズが大きいが、編集には使い勝手が良いのでソースファイルとして保存しておくには最適
・DSDファイルは自然な波形再生が可能だが、高周波ノイズのため、ローパスフィルターにより10KHz以上は再生されなくなっている。
結局、USBメモリ、SDカード、携帯に保存して聴くのなら、MP3よりFlac形式のファイルが理想的ということになるわけです。