今日は、ディスクが読み込めずイジェクトされる症状のSONY MDS-JA3ESです。
このデッキは1995年に108,000円で発売されたESを冠した高音質デッキでした。
500円で売っていたので思わず購入してしまいました。
まずは動作確認
電源を入れて、ディスクを入れるとTOCを読み込もうとするけれど、しばらくするとディスクが出てきてしまいます。耳を近づけるとモーターは回っているようです。
ディスクものはLD、CD、DVD、MD、BDとすべてピックアップを使用していて、レーザー波長はちがうものの、トレイが閉まったという信号を受けて、ディスクがあるかどうかを認識し、ピックアップでフォーカスが取れてからはじめてTOC領域を読みにいくのでピックアップは死んではいないようです。
どちらにしてもこの症状は再生ヘッドのレンズが汚れているか、レーザーがへたっている症状です。
よく、ピッアップの横や裏についている半固定抵抗を調整しているサイトを見かけますが、大体はレーザーパワー調整用のものではなく、レーザーダイオードの個体差からくるレーザーパワーを調整するものなので、測定機なしで回すのは良くありません。
また、この機種はサービスモードに入るとフロントからレーザーの出力も調節できるので、そんな半固定抵抗はいじらなくても大丈夫です。ではさっそく蓋を開けてみます。
開けてビックリ!
開けてみて驚きました。中に何かをこぼした跡が2箇所と基盤には雨ざらしになった跡がありました。よく通電したものです・・・
このドライブユニットはKMS-210Aという筐体がプラスチック製のピックアップユニットが入っていてOEMとしてもかなりの機種に採用されていましたが、夏に気温が高いところで長時間録音すると、筐体が熱でゆがんで光軸がずれて録音/再生ができなくなることで有名なSONYの初期型ユニットです。
現在では流通在庫もほとんど無いので高騰していますが、個人的にはあまり使いたくないので修理したら売ってしまおうと思います。
修理完了!
さて、レンズクリーナーと無水エタノールでレンズを直接クリーニングしたら、録音再生ともにできるようになりました。TOCリーディングの時間も短く、トラックのリードタイムも上々です。
もしもここで時間が長くかかりすぎるなどの異常がある場合は、レーザーパワーメーターで測定しながらサービスモードからレーザーパワーを調整することになります。
基板を取り外しクリーニングと点検をしたところ、基板は4箇所あるねじの部分のうち1箇所に若干さびが出ているくらいで腐食はなし、コンデンサの液漏れもなしESR値もほとんど上がってなくてはんだクラックもなしでした。筐体は液体をこぼしたときの腐食が残ってしまいましたが基板でなくて良かった~。
で、結局、ディスクが読み込めない原因はレンズの汚れで、前オーナーは実際はほとんど使用しないままレンズか汚れただけなのに液体をこぼして読めなくなったと勘違いして一度は外に出したものの、ハードオフに売ったというところでしょうか・・・。
ゴムベルトもへたりはじめているので、新品のものに交換します。内径27mm 1.2Tの角ベルトです。
動作確認~修理完了
仮組みをしていくつかディスクを再生してみました。
TOC読み取り後、スタンバイになったので読取りにくいディスク周辺のトラックを行き来してシークタイムと音とびがないかをチェックしました。
録音機能もCDプレーヤーから録音してみました。
ともに結果は良好に動作しましたので、今回はこれで修理完了です!