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いまさら?東芝 dynabook TXシリーズ の修理(プロードライザ編)

修理完了
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古いノートパソコンの活用

古いノートパソコンでも専用機にしてしまえば結構使えるものです。

たとえば、出品写真撮影の横でカメラと連動させて写真の写りを確認するための専用PCにもで着ますし、BIOSのタイプが古いのでHDDを工場出荷の状態に初期化(ローレベルフォーマット)する専用機にしたり、外部機器を接続して測定器としたり、レコードプレイヤーから録音したりCDの音楽データなどを保存してHDDジュークボックス専用機にしたりと使い道は色々です。

秋葉原で丁度良い具合に通電はするものの立ち上がらないノートパソコンを見つけて買ってきました。なんと、メモリなしHDDなしで1,980円でした!

驚きの1980円!驚きの1980円!

実はこの機種は既知のトラブルを抱えています。というより、東芝で2007年頃~2009年頃の間に生産された dynabookの AX/55 AX/57 TX/64 TX/65 TX/66 TX/67 TX/68 Qosmio F40などに特有の症状で、

ACアダプターを接続すると

  • そのままフリーズする
  • 画像が乱れてフリーズする
  • 不規則に再起動を繰り返す
  • 電源を入れても通電するだけで再起動を繰り返す

という致命的トラブルが有名ですが、原因はNEC/トーキンが製造した「プロードライザ」という部品に起因します。(NECトーキン製 プロードライザ OE108 OE907 など)

今では修理方法も進化して「プロードライザ」に頼らなくてもこの症状を抑えることができるようになっています。

方法はプロードライザという部品を4個の低ESR導電性高分子タンタル固体電解コンデンサと換装すると何事もなかったかのように動作するようになります。

現状確認 ~ 分解

電源を入れても入りません。画面も真っ暗です。これが典型的な症状です。

ジャンクPCジャンクPC

分解してみました。CPUファンのフィンにもフエルトのようなホコリが溜まっていましたので、取り除いて細かいチリはコンプレッサーからの圧縮空気で吹き飛ばしました。

分解したところ分解したところ
CPUファンのホコリCPUファンのホコリ

さて、ブロードライザですが、ヒートガンであぶりながら半田を溶かして取ります。次にハンダが付いていたところをはんだ吸取り線で古いハンダを吸取り、ブレークリーンと無水エタノールでクリーニングしてからタンタルコンデンサーをハンダ付けします。

ブロードライザブロードライザ
ふたが取れたところふたが取れたところ

低ESR導電性高分子タンタル固体電解コンデンサと換装しました

タンタルコンデンサ換装後タンタルコンデンサ換装後

元々付いていた枠を戻します。

枠を戻したところ枠を戻したところ

逆の手順で組み上げて、電源が入ったら修理完了です。

修理完了修理完了

プロードライザについて

東芝で2007年頃~2009年頃の間に生産された dynabookに使われているNECトーキン社製のプロードライザはOE108とOE907という刻印がされていて、平成17年には内閣総理大臣賞「ものづくり日本大賞」を受賞し、当時は画期 的なデカップリングデバイスという鳴り物入りで導入されましたが、2年~5年経つうちにフリーズしたり、起動不良や再起動を繰り返したりという不具合が立て続けに発生するようになりました。

原因はこの部品が極端に熱に弱く高温になると劣化が加速して不具合が発生していることでした。さらにプロードライザは製造の歩留まりも極端に悪く、完成した未使用品でも保存しておくだけでどんどん劣化が進むため保守部品にも適さないことから、東芝がマザーボードの修理は不能と正式発表したことが発端になり、トンデモパーツであることが露呈しました。

現在は生産終了となってしばらく経っているので、在庫として残っているパーツも使用期限がとっくに切れて不良品化しています。それなので手に入れて換装しても直る可能性が低く、一時的に直ったとしてもすぐに壊れて再発するものばかりになっています。

しかし、年月が経つうちに対応策が徐々に見つかり進化して、今ではプロードライザに頼らなくてもちゃんとパソコンが動作するようになりました。

元々あまり使用されずに起動不良を起こしたdynabookが多いので、新品と見間違えるような、使用感を感じない美品が多く、高輝度、ワイドスクリーンのノートPCが手軽な価格で手に入るとして人気が高い中古品になっています。


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