電源を入れると、扉が開いてしまうA&D GX-Z9100EVが入ってきました。ワンオーナーの中古品でしょうか・・カセットデッキの蓋についているビニールもそのままで、外観も良好です。
このカセットデッキは、赤井電機(AKAI, アカイ)がA&Dブランドで発売した最上級の機種(フラグシップ機)で、録音ヘッドと再生ヘッドを別々にマウントした構造のgxism機構など、独自の技術を投入したEV(Evolution)シリーズの3ヘッドカセットデッキでした。スーパーGXヘッドは磨耗にも強く人気が高かった覚えがあります。
サービスマニュアルは同一シリーズなのでGX-Z9100, GX-Z9100EV, GX-Z7100, GZ-Z7100EV が一緒になっていますが、日本語版がなかなか手に入らないので、今回は外国型番に当たる AKAI GX-95 GX-75 をanalog tape recorder カテゴリーで探してダウンロードして使用しました。
蓋を開けてみました
蓋を開けてみました。最上級の機種(フラグシップ機)だけあって綺麗なレイアウトです。
ケーブルについているはずのロックタイが外れているので、オーナー様がご自分で外そうとしたのでしょうか・・・。
デッキメカニズムの取り出し
デッキのメカニズムを取り外す前に動作確認したところ、ベルトが茶色に変色してすべっているようです・・。
早速、電源基盤のねじを外し、裏側の基盤についているコネクターを外してデッキのメカニズムを取り出します。
タバコのヤニが・・
この機種はあまりベルトの伸びは聞かない機種なので不思議だと思ってよく見てみたら、タバコのヤニがベルトにべったりついて滑っているようです。
フライホイルまでヤニがこびりついて黄色く変色していました。フライホイルの裏側のベアリングを支えるグリスもヤニを含んで粘度が上がっていました。
分解整備
仕方がないので、全部分解して部品クリーナーのブレークリーンで清掃後、位相を合わせて組み立て、ゴムベルトも新品に交換しました。
あとはドアの開いたときと閉まったときの電圧調整をしてテープパスとトルクを確認後、録音再生時の各種電気調整をして終了です。